Zenit-B使用説明


Zenit-BはM42マウントのものの他に、ゼニットマウントのものがあります。ここで説明するものは、ありふれたM42マウントのZenit-Bです。

(ケースの使用)
 Zenit-Bにはもともと革のケースが付属しています。ケースは光線漏れに対してある程度効果があるので、付属ケースを使用した方が良いでしょう。もっとも、Zenit-Bは裏蓋がカパカパする構造ではないので、光線漏れは少ないと思います。 Zenit-Bにはストラップつり金具が無く、結構重いので、ケースを使わないと使いにくい事この上有りません。

(撮影枚数以上の撮影)
 撮影枚数以上に撮影しようとすると、巻き戻しが出来なくなる恐れがあります。撮影枚数以上に撮影しないことを強く勧めます。 以下、私の経験です。撮影枚数以上の撮影をしようとして、巻き上げレバーを巻き上げようとしたら、レバーが途中で巻き上げできなくなりました。この状態で無理して巻き上げようとすると、フィルムを切断するので、巻戻しをしようととしましが、巻戻しボタンが働かず、結局フィルムを切断してしまったことが有ります。

(長期間使用しないとき)
 一般論として、長期間使用しない時は、フィルム巻上げ状態で保管しないことを勧めます。


1.各部の名称


1.セルフタイマーリリースボタン
2.セルフタイマーレバー
3.アクセサリーシュー(取り外し可能)
4.フィルム巻上げレバー
5.シャッターボタン
6.フィルムカウンター
7.シャッタースピードダイヤル
8.シンクロ接点指定レバー
9.シンクロ接点
10.フィルム巻き戻しボタン
11.フィルム巻戻しダイヤル
12.装填フィルムメモ
13.レンズ絞り値設定リング
14.レンズ絞り込みリング
15.レンズ距離リング
16.距離目盛および被写界深度目盛
17.裏蓋開閉金具
18.三脚ねじ穴
19.ファインダー接眼部



2.フィルムの装填


2.1 裏蓋の開け方

「裏蓋開閉金具(17)」を引き上げます。


2.2 フィルムの装填

 普通にできます。
 フィルム巻き戻しダイヤル(11)を引き上げ、フィルムをカメラに装填し、フィルム先端ををスプールの切り込みに差込ます(Fig.3)。次に、「フィルム巻上げレバー(4)」を1,2回ほど動かなくなるまで巻き上げます。 本当はこれだけで良いのですが、安全のため、シャッターを一回切って、さらに「フィルム巻上げレバー(4)」を1回巻き上げておくと良いでしょう。この時点で、Fig.4のようにフィルムがしっかり装填されていることを確認ください。



2.3 裏蓋の閉じ方

 裏蓋をはずしたのと逆の手順で裏蓋を閉じます。


2.4 フィルムカウンターセット

 フィルムを装填したときは、フィルム巻上げ後シャッターを切って、2枚程空撮影します。その後、「フィルムカウンター(6)」を0にセットします。(これを忘れると、何枚撮ったか分からなくなります。)なお、「装填フィルムメモ(12)」で装填したフィルムのメモができるようになっているが、現在とはフィルムが異なりほとんど役に立ちません。(デイライトカラー、タングステンカラー、モノクロフィルムの別、および、モノクロのときは感度がメモできるようになっている。)




3.撮影方法

 Zenit−Bには自動絞りの機能は有りません。このためシャッターを押す前に手動で絞り込む必要が有ります。

 ストロボを使用しない通常の撮影では「シンクロ接点指定レバー(8)」はどこでもよい。

3.1 シャッター速度の設定

 ZENIT-Bのシャッターダイヤルは一軸回転方式です。しかし、シャッター速度目盛指標も一緒に回転するので、シャッター速度設定は、フィルム巻き上げ後でも、巻き上げ前でも可能です。(Fig.5)
 シャッター速度の設定は「シャッタースピードダイヤル(7)」を持ち上げて回し、内軸の点の位置に合うように落とします。(Fig.5は1/250に設定されている。)なお、Bの位置と500の位置の間は回転することができません。


3.2 絞り値の設定

 絞りの値は、レンズ先端の絞りリング(13)で設定します。絞り込みリング(14)が右(絞り値の大きい方向)にいっぱい回っているとき(絞り解放状態)に絞りの値を設定します。
 ここで設定するのは絞りの値であって、これだけでは絞り込みしません。


3.3 ピント合わせ

 ファインダーは単純なすりガラスなので、ファインダーを見て、一番くっきりと見えたところが合焦です。なお、ピント合わせは絞り解放で行いますので、絞り込みリング(14)は右にいっぱい回しておきます。


3.4 絞り込み

 絞り込みリング(14)を左にいっぱい回すと絞り込みます。この操作を忘れると、絞り解放の撮影になってしまいます。



3.5 シャッターの押下

 (セルフタイマー撮影でない通常の)撮影はシャッターボタンを押下します。
 Zenit−Bのシャッターボタンには機械式ケーブルレリーズを取り付けることができます。





3.5 セルフタイマー

 「セルフタイマーレバー(2)」を下げ、Fig.6の状態にします。撮影のときは、「セルフタイマーリリースボタン(1)」を押します。リリース後およそ10秒で撮影されます。





3.6 ストロボ撮影

 Zenit−Bには取り外し式のアクセサリーシューが有るので、これを使ってストロボをカメラに付けることができます。
 シンクロコードのあるストロボを使用します。シャッター速度は1/30secに設定します。「シンクロ撮影接点指定レバー(8)」を「X」の位置にします。




4.フィルムの巻き戻し


 フィルムを巻き戻すときは、「巻き戻しボタン(10)」を押しながら、「フィルム巻戻しダイヤル(11)」をダイヤルに書いてある矢印の方向(時計回り)に回します。回転が軽くなったら巻き戻し完了ですので、裏蓋を開けてフィルムを取り出してください。フィルムを取り出すときは、フィルム巻き戻しダイヤル(11)を引き上げます。



5.レンズ交換

 スクリューマウントですので、単に回すだけです。
 なお、交換レンズのマウントは「M42マウント」です。ゼニットマウントとは違います。ところで、ZENIT−Bには自動絞りの機能が有りません。このため、自動絞り専用レンズ(「MC ZENITAR 16mmF2.8 魚眼」「MC ZENITAR-M2S 50mmF2.0」など)は絞り解放以外使用できませんのでご注意ください。

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