Kiev2の分解と修理
7.セルフタイマーユニットの修理とはずし方
セルフタイマーは非常に故障しやすい部分である。しかし、セルフタイマーユニットをはずす必要があるほどの故障はまれであり、通常は、はずすことなく修理可能である。
まず、セルフタイマーの故障を症状別に分けると次の3つに分類できる。
@セルフタイマー解除ボタンを動かしても、セルフタイマーが動かない。セルフタイマーを巻き上げようとしても、スカ。
Aセルフタイマーは動くけれど、シャッターが切れない。
B解除ボタンを動かさなくても、セルフタイマーが動作を開始してしまう。
このうち、一番多いのは@で、原因はたいてい、セルフタイマーにゴミが詰まった、と言うことである。ゴミが小さい時は、セルフタイマーレバーをはずして、中に見える突起を、時計方向にドライバーか何かで思い切り動かしてやると、直ってしまうことがある。(このとき、必ず解除ボタンを解除側にしておくこと。) ゴミが大きい時は、シャッターユニットをはずして、ゴミを取り除く必要がある。
原因がゴミでなくて、セルフタイマーのゆがみなどの場合は、はずして修理する必要がある。
Aの場合は、セルフタイマーの中にある、レバー(Fig.12の赤矢印)に原因がある。たいていは、これを内側にやろうとしているバネが外れているだろう。この場合は、シャッターユニットをはずして、バネの位置を直せばよい。あるいは、組み立て不良で、このレバーがシャッターユニットの内側に来ている可能性もある。この場合は、シャッターユニットをはずして、正しく組み立てると直ってしまいます。
Bの症状の場合は、解除ボタンがどこか(たとえば張り皮)に引っかかって、常に解除位置にある場合が考えられる。このときは、そこを直せばよい。これ以外だと、セルフタイマーユニット自体の問題なので、はずして修理する必要がある。
Fig.11
Fig.12
セルフタイマーをはずす時は、この部分の貼り皮をあらかじめ剥がしておいた方が良いだろう。
また、シャッターユニットと前板は、はすしておく必要がある。マウントは必ずしもはずす必要はない。
さて、セルフタイマーをはずす時、まず最初に、Fig.11の青矢印の大きいネジをはずし、セルフタイマーレバーをはずす。次に、Fig.11の緑矢印の2つのネジと、紫矢印のレバー止めネジ(かなり出っ張っているネジで、2つある)をはずす。すると、金色の板がはずせる。実は金色の板は上下2つに分かれていて、上の小さい部分は単に下の部分に引っかかっているだけである。下の部分をはずす時、マウントをはずしていないと、作業が多少しにくい。
次に、カメラをひっくり返して、Fig.12の青矢印の2つのネジをはずす。他の小さいネジは、セルフタイマーユニット自体のネジなので、はずすとセルフタイマーがばらばらになり、組み立てが大変である。