KIEV-4使用説明
(使用フィルム)
古いKIEVではISO100以下の24枚撮りを使うことになっています。KIEV-4m以降ですと36枚撮りでも何ら問題ないようですが、KIEV-4,KIEV-4aまでは24枚撮りが無難なようです。しかし、私のKIEV-4では36枚撮りも問題ないようです。
また、KIEV−4の露出計では,ISO/GOST 500までセットできるようになっていますので、400までのフィルムは基本的に問題なく使用できるようです。実は、「高感度フィルムを使用すると光線漏れの恐れがあるので、使用しないように」と言うようですが、私のKIEV−4はISO100でも通常の使用方法では光線漏れがあり、ビニールテープを貼る等の対応が必要なことがあります。
(ケースの使用)
KIEV-4にはもともと革のケースが付属しています。ケースは光線漏れに対してある程度効果があるので、ビニールテープを貼る等の光線漏れ対策をしないときは、なるべく付属ケースを使用することを勧めます。
(撮影枚数以上の撮影)
撮影枚数以上に撮影しようとすると、巻き戻しが出来なくなる恐れがあります。撮影枚数以上に撮影しないことを強く勧めます。
(長期間使用しないとき)
一般論として、長期間使用しない時は、フィルム巻上げ状態で保管しないことを勧めます。
(スプールについて)
Fig.4のスプールは取り外しできます。もしなくしてしまったら、35mmフィルムのパトローネの中にあるスプールで十分代用できます。私のKIEV-4付属スプールは非常に使いにくいタイプなので、フィルムから取った物の方がむしろ使いやすいと言えます。
1.各部の名称
1.セルフタイマーリリースボタン
2.セルフタイマーレバー
3.距離計窓
4.吊金具
5.フィルム巻上げダイヤル、シャッタースピードダイヤル
6.シャッターボタン
7.フィルムカウンター
8.フォーカシングギア
9.フォーカシングロックボタン
10.露出計指針
11.アクセサリーシュー
12.露出計蓋
13.フィルム巻戻しダイヤル
14.露出計
15.ファインダー窓
16.シンクロ接点
17.レンズロック
18.レンズ絞りリング
19.レンズ距離リング
20.距離目盛および被写界深度目盛
21.裏蓋開閉ノブ(左右2ヶ所)
22.巻き戻しボタン
23.三脚ねじ穴
24.ファインダー接眼部
2.フィルムの装填
2.1 裏蓋のはずし方
「裏蓋開閉ノブ(左右2ヶ所)(21)」を起こして、Fig.3aの方向に半周回転しロックをはずしてから、裏蓋をbの方向にスライドさせます。
裏蓋をはずすと、巻き上げダイヤルの下にスプールが入っており、これは取り外しできます。KIEV-4のスプールにはいくつかのタイプがあるようです。
2.2 フィルムの装填
フィルムを装填するためにはスプールを取り出して、そこにフィルムを巻きつけカメラに戻します。スプールにフィルムを巻きつける手続きはスプールのタイプにより異なりますが、私の使用しているKIEV-4は最もやりにくい物です。以下にこの方法を説明します。
まず、フィルム先端をFig.5のようにカットします。カットした部分をスプールの穴に差込み、先端を折り曲げます。その後1〜2巻きして、Fig.6のようにし、Fig.7のようにカメラに装填します。
なお、スプールの変わりにフィルムマガジンを使えば、ダブルマガジンにすることも出来ます。
2.3 裏蓋の閉じ方
裏蓋をはずしたのと逆の手順で裏蓋を閉じます。この時、きちんとはまっていることを確認する必要が有ります。
Fig.8で黄線を引いた部分は裏蓋とボディーとが重なっている部分ですが、この部分の重なりは5mmほどと小さいので、ここから光線漏れすることがあります。特に赤丸部分を押すと、裏蓋がたわんで光線漏れの可能性が高くなります。
黄線部分にビニールテープを貼るか,少なくとも付属ケースに入れることを勧めます。
2.4 フィルムの巻き上げ
フィルム巻上げは、フィルム巻上げダイヤルを回らなくなるまで、時計方向に回転します。(1周です。)3/4周ぐらいで急に重くなりますが気にせず止まるところまで回す必要が有ります。
フィルムを装填したときは、フィルム巻上げ後シャッターを切って、2、3枚空撮影します。その後、フィルムカウンターを0にセットします。(これを忘れると、何枚撮ったか分からなくなります。)
3.撮影方法
3.1 シャッター速度の設定
シャッタースピードダイヤルとフィルム巻上げダイヤルは同じものです。基本的にはフィルム巻上げの前でも後でも、シャッター速度設定が出来ます。
シャッター速度の設定は「シャッタースピードダイヤル(5)」を持ち上げて回し、指定する値のところで落とします。
ところで、フィルム巻上げ後にシャッター速度を速い方に設定しなおすのは問題ないのですが、遅いほうに設定しなおそうとすると、ダイヤルが非常に重くなるので、フィルム巻上げ後にシャッター速度を遅い方に設定しなおすのは、やめたほうがいいと思います。
3.2 絞りの設定
レンズ先端の絞りリングで設定します。(Fig.10)
3.3 露出計の使用方法
KIEV-4の内蔵露出計はセレンメーターなので、死んでいるものが多いと思います。あまり信用の置ける露出計ではありませんが、一応使い方を説明します。
最初にフィルム感度を設定します。ISO感度の値に近い値を赤マーク(Fig.11
b)に合わせます。
「露出計蓋(12)」のFig.11 a部分を押して、蓋を開けます。そこで被写体にカメラを向けて、cの指針が中央ひし形に合うように、dのダイヤルを回します。このときの外側目盛がシャッター速度を表し、内側目盛が絞り値を表します。シャッター速度と絞り値のどの組み合わせも同じ露出になります。
注意)露出計の指針を読み取るときは、なるべく水平にします。傾きがあると、指針は正しい値を指しません。
3.4 ピント合わせ
ピント合わせは通常「フォーカシングギア(8)」を使用します。レンズ側のピンとリングを使ってもピント合わせはできますが、ピント∞の位置ではロックされるので、レンズ側で操作するときは∞以外で行う必要があります。
Fig.12の右図のように、ファインダーを覗いて2重像が合致したときが合焦です。
実際には、被写界深度目盛と距離目盛を使って目測で合わせたほうが楽です。
3.5 セルフタイマー
「セルフタイマーレバー(2)」を下げ、Fig.13 aの状態にします。撮影のときは、「セルフタイマーリリースボタン(1)」をボタンに示された矢印方向に押します。リリース後およそ10秒で撮影されます。
3.6 ストロボ撮影
シンクロコードのあるストロボを使用します。(Fig.14)
シャッター速度は1/10secに設定します。1/25secに設定しても問題なく動作するようです。1/50secより速いシャッターは使用できません。
4.フィルムの巻き戻し
フィルムを巻き戻すときは、初めに「フィルム巻戻しダイヤル(13)」をFig.15のように引き出します。(なお押し込むと通常の状態の戻ります。)
次に、底にある「巻き戻しボタン(22)」を押しながら、「フィルム巻戻しダイヤル(13)」をダイヤルに書いてある矢印の方向(時計回り)に回します。回転が軽くなったら巻き戻し完了ですので、裏蓋を開けてフィルムを取り出してください。
注意:フィルムを巻き戻していると、底にある「巻き戻しボタン(22)」がゆるみ最悪脱落することがあります。ゆるんでいないか時々確認しましょう。(この件は斎藤秘密光学研究所さんから情報を頂きました。ありがとうございます。)
5.レンズ交換
レンズ交換は通常距離無限大の位置で行います。
レンズをはずすときは、Fig.16 aの「レンズロック(17)」を押しながら、レンズを左図の矢印方向へ、赤マークが一致する位置まで45度程度回転させ、レンズを引き抜きます。
レンズを付ける時は、赤マークが一致する位置でレンズをボディーに入れ、カチッと止まるまで、はずすときときとは逆方向に回転させます。
Back | CameraのTopへ | LensのTopへ |