フェイクライカ
ライカのニセモノのことです。ライカ以外のカメラを改造して、ライカの表示のあるカメラを作った場合に、フェイクライカと呼びます。
フェイクライカがロシアカメラの範疇に含まれるというのも、おかしな話ですが、実際にはロシアカメラを改造してフェイクライカが作られている場合が多いので、ここに掲載します。
フェイクライカはどのような理由で作られたか、以下のように説明されます。(本当かどうか、知らない。)
第2次大戦中、ナチスドイツは敵対国家に対して、ライカの輸出を禁止します。そして、ナチスは輸出禁止した国では、ライカがなくて困っているだろうと、タカをくくっていました。これに対して、ライカが輸入できなくなった国では、ライカと類似したカメラを製造あるいは輸入します。第2次大戦が始まると、ナチスは瞬く間に周辺国を占領しますが、そこで、ライカに類似した優れたカメラが使われているのを見て激怒します。そして、ライカに類似したカメラを所持した者は、見つけ次第、処刑しました。こうした中、ナチスに対する抵抗運動として、フェイクライカが作られました。フェイクライカが、最初に使われたのはフランス、ついでポーランドでした。
以上が、フェイクライカ誕生物語ですが、実際に、市場で見かけるフェイクライカは、ソ連崩壊以降、外国人目当てのお土産品として、あるいは、輸出目的に作られたものがほとんどです。購入者をだます目的と言うようなものではなく、面白い記念品のお土産で、明らかに贋物と分るものです。(ソ連崩壊以前に作られた物も有ります。)
フェイクライカを作っている場所は、ロシア・ウクライナが多いのですが、アメリカにもフェイクライカを作っている人が存在するようです。ちょっとした板金の設備が有れば、比較的簡単に出来るので、フェイクライカ作りは世界中の国で行われているものと思います。
フェイクライカの元になったカメラはFED,ZORKI,Zorki-Cなどがあります。また、複数種類のカメラから部品を集めてフェイクライカに仕立て上げたものも存在します。
フェイクライカは遊び心で作られているものが多いためか、金ぴか、マホガニー材張り、蛇皮張り、等々、実際のライカには存在しないものなど、いろいろなフェイクライカが存在します。ただし、あまり大きな改造は大変なので、圧倒的多数はライカ2型類似カメラです。
フェイクライカの性能は作った人によりさまざまで、フィルムが入らないもの、光漏れで撮影不可能なものから、十分良く調整され普通のライカ2型に比べ写りの良いものまで、さまざまです。
写真のカメラは、フェイクライカのうちでは改造箇所が最も少ない部類に属するもので、カメラ名が表示してある、ボディー天板とレンズ前板のみ、交換したものです。元になっているカメラは、戦前タイプのFEDですが、戦前タイプのFEDからフェイクライカを作っていることは、多くありません。
注意:フェイクFED
FEDのカメラにはFED-Siberiaと称されている、珍しいバージョンが存在します(贋物のみ存在し、真正品は存在しない可能性もあります)。この、FED-Siberiaには東京秋葉原の中古カメラ店アブコラボが作った贋物が存在します。実際には、アブコラボがウクライナの人に発注して作らせたようです。
アブコラボの店長によれば、『遊び心で作ったんだよ』。
多くのフェイクライカも、世界中のカメラ好きが遊び心で作っているのでしょう。
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