重要

巻き上げレバーを巻き上げた場合に限り、シャッタ速度をセットしてください。
<30>と<1>の間にシャッタースピードダイヤルを回さないでください。
これらの操作を誤るとカメラが壊れることがあります。
製品の信頼度および操作方法を改善するために、予告なしに小さな変更がなされる可能性があります。


カメラ
FED5C
使用説明書



1. 一般的な説明

FED5Cは、モノクロおよびカラー35mmフィルムを使用するアマチュアおよび専門家のためのカメラです。
カメラの取り扱い方は単純です。
本説明書の中で述べられた使用方法を守ることにより、長年にわたりその確実な使用を保証します。
カメラを扱う間は、過度な力をかけたり、光学系に触れたりしてはなりません。また、ほこりから保護する必要があります。

カメラのデザインは、USSR inventors'certificates Nos 773562,313194によって保護されます。


2. 仕様書

画面サイズ 24x36
フィルム・マガジン・ロード 36枚撮 (長さ1.65m)
レンズ anastigmat INDUSTAR-61
L/D;1:2.8;f'=55mm
レンズマウント M39×1mm
フィルター径 M40.5×0.5mm
撮影距離 1m〜∞(無限大)
ビューファインダー 距離計連動式光学レンジファインダー
(視野マークおよびパララックスマーク付)
シャッター 布幕
シャッタースピード 1〜1/500,<B>
露出計 光電子方式
計算機付
セルフタイマー 機械式
シンクロ接点 X−接点
三脚ねじ穴  1/4"
質量(ケース込み),kg 0.99

  

3. 内容

カメラ
フィルム・マガジン
レンズキャップ 
クリップストッパー
ケース
使用説明書



4. デザイン

 カメラの主要な部分はボディーとレンズがあります。ボディーには以下のものが含まれます。シャッター、セルフタイマー、シンクロナイザー、露出計、レンジ,ビューファインダー、フィルムカウンター。またレンズには、絞り、被写界深度および距離目盛が備えられています。レンズはボディーにねじ止めされます。
 カメラ各部の名称をFig.1,Fig.2に示します。




1-セルフタイマーレバー
2-セルフタイマーボタン
3-光電池
4-シャッターボタン
5-アクセサリーシュー栓
6-アクセサリーシュー(シンクロ接点)
7-距離計窓
8-ファインダー窓




9-ファインダーおよび距離計
10-巻き戻しノブ
11-シャッタースピードダイヤル
12-シャッタースピード表示目盛
13-巻き戻しスリーブ
14-巻き上げレバー
15-カメラカバー




5. 撮影の準備



 撮影の準備としてカメラにフィルムを装填します。
 フィルムの装填は通常のやわらかい光のもとで行ってください。
 まず、ケース・ナットを回して、カメラをケースに固定するねじを取り外してください。そして、カメラをケースからはずしてください。
 次に、カメラカバー15(Fig.2)の留めねじを起こして、Fig.3に示す方向に半回転してください。 その後、カバーを親指で押しながら、Fig.4の矢印の方向に動かして、カメラカバーをカメラからはずします。


 フィルムをフィルム室に入れます。Fig.5に示すようにフィルム先端をスロットに入れます。
巻き上げレバー14(Fig.2)を回しながら、フィルムの穴が、スプロケットの歯にかみ合うようにします。

 フィルム装填後、カメラカバーを閉じます。カバーの端をきちっとあわせて、カメラカバーの留めねじをはずしたときと逆に半回転します。




 フィルムの未感光部をセットするために、シャッターボタン4(Fig.1)を2,3回空押しします。このとき、フィルム巻上げレバーは巻上げ可能なときは必ず巻き上げます。そうしないと、シャッターボタンは作動しません。
 2,3回空押しするとフィルムカウンター17(Fig.6)が<1>にセットされます。これで、最初のフレームが撮影可能です。


16-フィルムカウンターインデックス;
17-フィルムカウンターリム



 フィルムインディケーターリムは、しばらく使用しないでいた後に写真を再び撮る場合にどのタイプのフィルムが入っているのかを思い出すのに役立ちます。露出計算器のインデックス24と装填したフィルム感度が一致するように、リム26を動かします。露出計算器はFig.9に示します。
 巻き上げレバーには「撮影」と「運搬」の2つのポジションがあります。「撮影」ポジションではレバーの後端がカメラ筐体から突き出た形になります。



6. 操作方法


 撮影場所を選び、カメラケースを開け、レンズからキャップをはずし、ファインダーの接眼部9(Fig.2)をのぞき、ビューファインダーの枠内に被写体を捕らえます。被写体が3メートルより接近している距離にある場合、写真はパララックス枠内で構成します。


レンズの焦点合わせ。



 距離目盛枠21(Fig.8)を回転して、Fig.7のようにビューファインダーの中にある円形部分の2つの像が1つになるようにします。
 遠くを写す場合や、被写体までの距離がわかっている場合は、距離目盛を使って焦点を合わせられます。
 被写界深度を相当に広くする場合の撮影や、あるいはカメラからの異なる距離に位置した一連の被写体を撮影する場合は、被写界深度目盛を使って絞りの値18(Fig.8)を決定します。
 被写界深度スケール19は、レンズの絞り値に対応する数の2つの列から成り、距離目盛インデックス21つ対して対称的に配置されています。
 レンズの焦点をあわせた時、被写界深度の目盛に対応する距離目盛は、十分先鋭に写るカメラからの最短距離と最遠距離を示します。
 例えば Fig.8 に示すように、レンズの焦点位置が3mで絞りの値が5.6のとき、カメラから2.5m〜4mにあるすべてのものに対してシャープに写ります。絞りの値が8のときは、カメラから2.2m〜5mにあるものに対してシャープに写ります。



シャッタ速度の決定について。


22-チャンネルインデックス;
23-チャンネル目盛リム;
24-フィルム感度目盛;
25-露光時間目盛;
26-絞り値目盛;
27-露出計目盛;
28-メーターのポインター 

 この目的のために、露出計(Fig. 9) のチャンネル番号を見ます。
 メーター・ポインターによって示されたチャンネル番号が反対のチャンネル・インデックス22に合うように、露出計算目盛リム26を回してください。黄色の目盛は1秒の何分の1かをあらわし、赤の目盛は秒数をあらわします。計算器にはシャッタ速度および絞り値の多くの組み合わせが示されています。これらの組み合わせはどれでも同じ露出与えます。撮影の実際の条件あるいは以前にセットした絞り値によって、シャッタ速度の必修の値を選んでください。
 Fig.9は計算器の次の組み合わせを示しています:シャッタ速度1/125s―絞り2.8;シャッタ速度1/60s―絞り4;シャッタ速度1/30--絞り5.6等。
 露出計は写真をとる領域の平均的な明るさを測っています。被写体の重要な部分の占有面積の割合が小さく明るさが非常に異なるときは、この部分に近づいて(たとえば30〜40cmぐらいに)直接明るさを測った方がより好ましいシャッタースピードを決定することができます。
 光電池に強力な光が当たらないようにしてください。さもないと、正しい露出時間を決定できない可能性が有ります。頭上や両サイドからの光がレンズに入り込むのを防ぐため、撮影時に日よけをすると良いでしょう。



 露光時間(シャッター速度)の設定は次のようにします。シャッタースピードダイヤル 11 (Fig. 10)をいくぶん上に持ち上げながら、シャッタースピード表示目盛12 (Fig. 10)の選択した値のところに矢印が合うようにまわします。そして、元の低い位置に戻します。
 Fig.10では露光時間(シャッター速度)は1/30sにセットされます。露光時間は巻き上げレバーを巻き上げたときにのみセットすることができます。シャッターダイヤルは<30> と <1> の間をまわしてはなりません。目盛12(Fig.10)の数値は以下のシャッタースピードを表しています。1、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250and 1/500s。数字<1>と<4>の間の点は、1/2sのシャッタ速度に相当します。文字<B>の位置は長時間露光に使用します。すなわち手でシャッターボタンを押している間、露光し続けます。<1>,<2>,<4>,<8>, と <15> の目盛り位置では、ダイヤルが他の部分よりも幾分高い位置にセットされますので、無理に押し込もうとしないでください。
 さてそこで、撮影したいものにカメラを向けてください。そして、ファインダーの視野の中のその位置をチェックして、撮影したい瞬間に、シャッターボタンを滑らかに押してください。





 セルフタイマーを使用して撮影する場合は、絞りおよびシャッタ速度をセットした後にセルフタイマーレバーを上に曲げてください。すなわち、セルフタイマーレバーをFig.11に示すように反時計周りにまわして、上の位置に移動します。
 ファインダーを使って必要な位置に、カメラを三脚上に固定してください。セルフタイマーボタン2(Fig.11)を押してください。そして、事前に定めたあなたの位置に行ってください。およそ9秒後に撮影されます。



 フラッシュランプで撮影する場合、シャッター速度は1/30sにセットします。また、絞りの値は、フィルム感度、被写体までの距離およびフラッシュランプの明るさに従って選択します。カメラはケーブルレス接続でアクセサリーシュー6(Fig.1)を使用します。
 フラッシュランプの接続に先立って、アクセサリーシュー栓5をはずします。そして、Fig.12のようにフラッシュランプをシューに挿入します。これで、シンクロ接続は完了です。フラッシュランプ撮影の詳細に付いては、フラッシュランプの説明書あるいは写真撮影の説明書をご覧ください。
 シャッターボタンを押下すると、すぐに、フラッシュランプのスイッチはシャッタ・オペレーションと同時に入ります。また、フラッシュランプはセルフタイマーによっても発光します。



撮影完了後、フィルムの取り出しに付いて。

 撮影終了後、フィルムをマガジンへ巻き戻します。



 36枚撮影終了後直ちに、シャッターメカニズムの分離を行います。すなわち、巻き戻しスリーブ13(Fig.13)を下方へ押し下げます。巻き戻しスリーブを押し下げているときは巻き上げレバーを動かさないでください。






 その後、巻き戻しノブ10(Fig.2)を指で押して、反時計回りに回してください。指を離すとノブは飛び上がります。Fig.14に示すようにノブを回して、フィルムをすべてマガジンへ巻き戻します。上述された操作完了後、カメラを開いてフィルムマガジンを取り出してください。この時、フィルムカウンターは、初期の位置に自動的にセットされます。シャッタ・メカニズムを接続するために巻き上げレバーを巻き上げてください。カメラカバー閉じて、ロックしてください。ケースの中にカメラを入れて、ねじで固定してください。ケースを閉じる場合、巻き上げレバーは「持ち運び位置」に動かすことを忘れないでください。レバーを、この位置にすると、ケースを閉じる邪魔になりません。






7. ACCEPTANCE CERTIFICATE

(省略)


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