Fed-1
ソ連、最初のライカコピー機
旧ソ連で大量生産された最初のカメラである。たぶん、ライカコピーの最初のものでもある。ライカの本物に比べれば、巻上げがスムーズでないなど、雑な作りと言う人もあるが、実際に写真を撮る道具として考えると、ライカと比べ殆んど遜色のない写真を撮ることができ、当時としてみれば、実用上困ることはない、立派なカメラだった。(もちろん、現在でも充分に実用になる。)
なお、フェイクライカと言って、ライカの偽物を見かけることがあるが、これらはFED-1の改造品であることが多い。
Fed-1は1934年に製造が開始され、途中戦争をはさんで、1955年まで製造された。戦争中は、疎開先のBerudskで作られているが、それ以外は、ウクライナ・ハリコフのFED工場で作られている。
このカメラは、戦後に製造されたもの。(TypeF)
このカメラは、戦前に製造されたもの。(TypeB)
1937年以前のものは、シャッタースピードダイヤルの回りが円い。ラウンドコーナーとはこのことである。
FED-1は、通常製造年代によって幾つかの、タイプに分けられる。タイプ分けの基本は、天板に刻まれた文字と、天板の形状による。
タイプ分類の詳細はここをクリックしてください。
なお、FED-1をマイナーチェンジしたものにFED-S(1/1000シャッター搭載)、FED-V(スローシャッター搭載)、FED-Siberia(つまみを大きくしたもの)がある。また、FED-1に先立って、FED−Originalが少数、試作されている。
FED-1のフランジバック(マウント面からフィルム面までの距離)
FED-1はライカコピー機のため、マウントは基本的にはL-マウントであるが、戦前のFEDではフランジバックが少し短いため、レンズは専用と考えたほうか良い。(個体による、ばらつきがあって、正しい値がいくつだったのかはわからない。ボディーごとに、レンズのフランジバックを調整する必要がある。)L−マウントと同じ28.8mmになったのは、戦後です。
説明
マウント:M39(ライカLマウント)
シャッター:横走布幕
シャッター速度:Z,1/20,1/30,1/40,1/60,1/100,1/200,1/500(戦前および戦後初期)(Fed-1fの途中まで)
B,1/25,1/50,1/100,1/250,1/500(戦後のうち戦後初期を除く)(Fed-1fの途中から)
ファインダー:2眼式2重像合致距離計連動
フィルム装填:底蓋着脱式
フィルムカウンター:順算式
付属レンズ:FED(50mm F3.5 沈胴) (Fed-10と言うらしい)
サイズ:133mm×68mm×32mm(レンズなし 横×高さ×厚さ)
サイズ:133mm×68mm×42mm(レンズ沈胴 横×高さ×厚さ)
質量:425g(ボディーのみ) 付属レンズは110g
注)フィルム装填が底蓋着脱式のため、スプール(フィルム巻上げ軸)は取り外し方式である。時々、スプールがなくなっているものがあるが、代用品は、なかなか見つけられないので、もし他にFEDを持っていない方は、スプールがあるものを入手すべきです。FED-1のスプールは、Zorkiのものより、若干長い。Fed-2のものと同じようである。なお、フェイクライカを入手するときも、代用品を持っていない場合は、スプールがあるものを入手すべきです。
FED-1の表面加工
FED-1の表面は非常に硬いので、金属をそのままシボ加工したものと言われる事があるが、実際は硬い合成ゴム状物質が塗布されている。
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表面を一部剥がしたところ。
ほとんどすべてのFEDの表面はシボ加工であるが、ごく初期のFEDの表面は、つるんとしている。
Fed-1 Type-f に付いていたマニュアル
表紙(右)と裏表紙(左)
第1ページ
古いFEDで撮影しました
1936年ごろのFEDを使用したが、古いカメラでおまけに整備不良のため、画面左側に光線漏れが生じている。
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