ИНДУСТАР(INDUSTAR)-22 50mmF3.5
INDUSTAR-22は戦争直後の1948年ごろから1960年頃まで作られたソ連を代表するレンズの1つである。FED-10の改良レンズで、レンズタイプは3群4枚のテッサー。(エルマーではない。)なお、1953年ごろINDUSTAR-22の改良レンズであるINDUSTAR-50が現れると、徐々にINDUSTAR-22はINDUSTAR-50に移行する。
INDUSTAR-22のマウントは、たいていLマウントであるが、一部Zenitマウントのものも存在する。
L-マウントのIndustar−22
Industar-22のうち最初に作られたもの。Moskvaの表示がある。KMZマークは光線が無い。
このレンズは、1948年のFED-ZORKI付属レンズである。
光学系はFED-10そのもので、改良されていないとも言われる。(私には見てもよく分らない。)
1950年に作られたもの。Zorkiの表示がある。KMZマークは無い。
このレンズはZorki-1 TypeBの付属レンズである。なお、つまみの形が円筒形のものもある。(円筒形のものの方が古い)
1951年頃のもの。製造番号は表面にないが、KMZのマークは光線が入ったタイプになっている。
上記と同じタイプであるが、KOMZ(カザン)のロゴになっている。KOMZ製のINDUSTAR-22はKMZ製に比べてずっと少ないが、MOSKVAやZORKI表示のものに比べると、むしろ多い。
Induztar-22では、最もありふれたもの。1951,2年に現れて、1960年ごろまで製造されている。
このレンズは、焦点距離が50mmとなっている。
上のレンズと同様。焦点距離の表示がCMになっている。このレンズの製造番号は50*****であるが、50代後半か60代前半のものが多い。KMZのほかにLZOSやKOMZのものもある。
Industar-22の最終形状。先端部リングの周りのぎざぎざの形状が変わった。
沈胴しないタイプのINDUSTAR-22で1951,52年のみの製造である。このレンズについてPrincellの本には「製造数2000個以下」と書いてあるが、それにしては、それほど珍しくなく入手はさほど困難ではない。表面の板が銀色のものも存在する。(銀色の方がずっと少ないと思う。)
距離リングはなくて、無限大の位置にピント固定されている。マクロリングを使って、マクロ撮影に使用するためのものか、それとも、カメラ用ではなくて、別の用途のものかもしれない。
KOMZ製である。
沈胴レンズ用のレンズキャップ。
レンズ Industar-22(50mm F2.0)(沈胴) の説明(上から5番目の図のもの)
Zorki2-C付属レンズ
名称:ИНДУСТАР-22
焦点距離 :50mm
マウント:M39(ライカLマウント)
F値:F3.5
絞り:F3.5,4.5.6,8,11,16(クリックはどこにも無い)
絞り羽根数:8枚
最短撮影距離:1.0m
サイズ:長さ36mm×最大径47(54)mm
質量:110g
レンズ番号の頭の文字:N016
製造年:不明であるがボディーと同じ58年製と推定
製造:KMZ(クラスノゴルスク機械工場)
距離リングの回転に伴いフィールター枠が回転します。
レンズ Industar-22(50mm F2.0)(沈胴しないタイプ) の説明(下図)
サイズ:長さ45mm×最大径48(56)mm
質量:80g(軽い)
レンズ番号の頭の文字:N51
製造年:51年製と推定
製造:KMZ(クラスノゴルスク機械工場)
鏡筒はアルミニウム製
距離リングの回転に伴いフィールター枠は回転しません。
ZenitマウントのIndustar−22
ゼニットマウントのIndustar−22は初代ZenitおよびZenit−Cの初期のものに標準的に付属してた。初代Zenitの製造台数が比較的少ないため、よく見かるレンズということはない。(別に珍しくはない。)
レンズ Industar-22(50mm F2.0)(Zenitマウント) の説明
最短撮影距離:1.0m
サイズ:長さ30mm×最大径48(56)mm
質量:70g
レンズ番号の頭の文字:N55
製造年:55年製と推定
製造:KMZ(クラスノゴルスク機械工場)
距離リングの回転に伴いフィールター枠は回転しません。
INDUSTAR-22を実際に使ってみると、現在のレンズのようなシャープさは無く、若干ぼやけたレンズのような印象を受ける。1950年代のレンズであるので、当時のフィルムの粒状性を考えたら、この描写で十分であったのかもしれない。INDUSTAR-50になると、この点はかなり改善される。
沈胴タイプと、沈胴しないタイプの光学系は同一であるので、両者の描写に違いは見られない。はずであるが、私の持っているものは沈胴しないタイプのほうが、より一層シャープさに欠ける気がする。(個体差でしょうか。)
撮影例1 沈胴するタイプで撮りました。(ボディーはZorki2-C)
撮影例2 沈胴しないタイプで撮りました。(ボディーはZorki2-C)
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