L−マウント Industar−50
INDUSTAR-50はINDUSTAR-22と同じ3群4枚のテッサ-タイプレンズで(エルマータイプではない)、INDUSTA-22の光学系を若干変更してシャープさが多少あがっているレンズです。L-マウントのものはZorki-4に、ゼニットマウントのものはZenit-3Mなどに良く見られます。1953年〜71年にかけて製造されています。
INDUSTAR-50とINDUSTAR-50-2とは若干のデザイン以外はそっくりです。
レンズの説明
名称:ИНДУСТАР-50 7032362
焦点距離 :50mm
F値:F3.5
絞り:F3.5, 4.0. 5.6, 8.0, 11.0, 16.0(クリックはどこにも無い)
絞り羽根数:7枚
絞り形式:プリセット
マウント:Lマウント
レンズ構成:3群4枚(テッサ-タイプ)
最短撮影距離:1.0m
フィルター:33mmくらい(ねじ込み式)
サイズ:直径50mm 長さ44mm 重さ100g(実測値)
製造:KMZ 1970年
付属品:中古品を購入したため不明(Zorki-4カメラの付属レンズと思われる)
ピント目盛表記はmのみです。
絞りリングや距離リングの回転に伴いフィールター枠が回転します。
INDUSTAR-50には、沈胴するタイプとしないタイプがあり、沈胴しないタイプには白鏡胴と黒鏡胴があります。このレンズは沈胴しないタイプのL-マウントの黒鏡胴です。なお沈胴するタイプのINDUSTAR-50は多少珍しいレンズです。
沈胴しないタイプのL-マウントINDUSTAR-50はゼニットマウントのINDUSTAR-50にエクステンションリングを付けてフランジバックを変更した構造になっており、簡単にゼニットマウントレンズにすることが出来ます。
ゼニットマウントにするには次のようにします。
@外側エクステンションリング留めねじ(Fig.2の3)をはずす。
A外側エクステンションリングをはずす。外側エクステンションリングはねじ込みですので、普通に回転すれば外れます。ただし、かたくねじ込まれているので、力をこめて回転する必要があります。
B外側エクステンションリングをはずすと、Fig.3のように内側エクステンションリングがあらわれますので、これをはずします。内側エクステンションリングは逆ねじになっています。はずすときは、通常とは逆、Fig.3の矢印方向に回転します。これも、かたくねじ込まれていますので、力をこめて回転します。
これだけで、簡単にゼニットマウントになります。(Fig.4)
なお、外側エクステンションリングを別のゼニットマウントに付ければ,L-マウントになります。ただし、距離計は連動しない。
1.外側エクステンションリング
2.内側エクステンションリング
3.外側エクステンションリング留めねじ
4.距離目盛、絞り値リング
5.被写界深度目盛リング
外側エクステンションリングをはずすと、内側エクステンションリングがあらわれます。内側エクステンションリングは逆ねじです。
内外のエクステンションリングをはずすと、ゼニットマウントになります。
内外のエクステンションリングをはずすことで、Fig.4に示すようにゼニットマウントになるのですが、このままでは最短撮影距離はL-マウントのままの1mです。内部のねじ位置を変更することにより、最短撮影距離を0.65mにすることが出来ます。
@距離目盛、絞り値リング(Fig.2の4)をはずす。これには3つのねじをはずします。
距離目盛、絞り値リング(Fig.2の4)をはずすと、Fig.5になります。
Aここでレンズ部分とマウント部分に分離します。これにはマウント部に付いているストッパーねじ(Fig.5の1)をはずします。はずすときはFig.5の2の切れ込みを使用します。マウント部に付いているストッパーねじをはずすと、レンズ部分とマウント部分に簡単に分離出来ます。
BFig.6はレンズ部分です。レンズ部分には2本のストッパーねじが付いています。一方は無限以上に回転することを止めるねじで、もう一方は最短撮影距離で回転を止めるためのねじです。L-マウントレンズではFig.6の1の位置にストッパーねじが付いています。これを、Fig.6の2の位置に付け替えます。
Cはずした時と逆に組み立てれば完成です。
このように、ストッパーねじの位置を変更することにより最短撮影距離の変更が簡単に出来ます。しかし、最短撮影距離1mで設計されたレンズのためか、1mに満たない撮影距離では今一つ先鋭さにかけます。1mよりも近づいての撮影にはあまり使用しないほうが無難です。
撮影例 ゼニットマウントにして撮影しました。雨の横川駅です。あまりにも、できそこないの写真ですがこれはレンズのためではなく、撮影している私のせいです。
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