LOMO社製35mmコンパクトカメラ Smena8M
前面化粧板が、銀地に赤のモデルと、黒地に白のモデルがあります。
このカメラは20年以上も製造されていたため,細かいバラエティーがあります。一番上と二番目が比較的古いタイプ、下の2つは比較的新しいタイプです。
Smena8MはSmena8,9のデザイン・樹脂の材料を変更したカメラで、1970年頃から1994年ごろまで、レニングラードのLOMOで製造されました。Mはモダン化の意味です。機能・メカニズムはSmena8,9と変っていません。レンズも変っていないと思います。
フィルム感度をセットすると絞り値がセットされ、お天気マークをセットするとシャッター速度がセットされる簡易露出方式です。ISO16にF4が対応し、ISO250にはF16が対応します。もちろん、絞り値とシャッター速度は任意に設定できます。撮影前にフィルムを巻き上げるほかに、シャッターをセットレバーでチャージする必要があります。このセットレバーは右手側にあり、撮影時に誤って指に触れることがありますが、こうなるとシャッター速度が非常に遅い値になり、撮影は失敗します。また、フィルム巻上げと、シャッターチャージは独立に行うため、二重撮りの危険があります。
少年のころマミヤの6×4.5版のレンジファインダーカメラを使用していました。このカメラは安物だったせいか、フィルム巻上げとシャッターチャージを独立に行うものでした。しかし不思議なことに、二重撮りや、シャッターチャージを忘れてシャッターを切ったことはありませんでした。ところが、今回Smena8Mを使ってみると、はじめの頃は頻繁にシャッターチャージを忘れて、シャッターを切ろうとしてしまいました。そして、未撮影のままコマを送ったことも何回もあります。何でもオートで便利なカメラを使い慣れていると、Smena8Mの使いにくさを痛感し、なんて時代遅れなカメラだろうという気がします。でも、使いやすいとか使いにくいと言っても結局は単に’慣れ’の問題でしかないのです。慣れれば、Smena8Mの機能で間違わずに十分に撮影できます。
Smena8Mのレンズは絞り込むと結構シャープに撮れます。日本の安物カメラとは比較にならないほどの描写能力です。良い写真を撮るという目的からするとSmema8Mはきわめてまともなカメラだと思います。
説明
レンズ:T-43(ハードコーティング3群構成色消しレンズ)
焦点距離:40mm
解放F値:F4.0
シャッター:セットレバー式
シャッター速度:1/15,1/30,1/60,1/125
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最短撮影距離:1m
絞り値:F4,5.6,8,11,16
設定可能フィルム感度:ISO16,32,64,125,250
フィルターサイズ:35.5mm×0.5mm
このサイズのフィルターはあまり見かけません。また、フィルターをすると、絞りリングが回せなくなります。
サイズ:W116mm×H78mm×D61mm
質量:260g
ファインダー:透明な2枚の平行平板
距離あわせ:目測、回転ヘリコイド
製造時期に関する、あるSmena8Mの例
製造番号の頭2文字:94
出荷:1997年12月
箱に張ってあるラベルと、使用説明書の日付は1997年12月になっています。しかし、箱のラベルを剥がしてみると、下にもう1枚のラベルが張ってあり、この日付は95年1月になっています。つまり、95年に何らかの理由で出荷できなかったデッドストックの説明書を取り替えて、箱のラベルを張り替えて出荷したもののように思えます。
付属品
カメラケース:初期は合成皮革の速写ケース(下写真)、最近のものは布製の袋。中間的時期には、合皮の袋のことも有った。
使用説明書:英語のものとロシア語のものとがある。
元箱
Smena8Mの初期は、このような合成皮革の速写ケースだった。
てかてかしているものと、つや消しのものとがある。
Smena8MとSmena35の比較
Smena8MとSmena35は良く似たカメラです。両者を比較してみます。
Smena8M | Smena35 | |
カメラサイズ | W116mm×H78mm×D61mm | W112mm×H73mm×D56mm |
カメラ質量 | 260g | 190g |
レンズ | T43(40mmF4.0) | T43(40mmF4.0) |
シンクロ接点 | シンクロコード | ホットシュー |
ファインダー | 透明平板 | 逆ガリレオ式 |
ボディー材質 | ボディーは樹脂、レンズ周りはアルミニウム | ボディー、レンズ周りともに樹脂 |
フィルター枠 | 35.5mm 残念ながらこのサイズは少ない |
無し |
フィルム巻戻方法 | シャッターボタンを押しながら巻戻す | シャッターボタンをRポジションにして巻戻す |
シャッターレリーズケーブル穴 | あり | なし |
設定可能フィルム感度 | ISO 16,32,64,125,250 注:製造時期によって違いがある |
ISO 25,50,100,200,400 |
ダブルマガジン | 可能 | 不可 |
製造年代 | 1970年〜1994年頃 | 1990年〜1995年頃 (私の持っているのは95年製) |
製造国名表示 | 手元にある、81,94年製ともに MADE IN USSR | 手元にある、95年製のもの MADE IN USSR |
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