ロシア鉄道郵便


広大な土地に町が点在しているため、郵便の逓送は主に鉄道が使われた。鉄道列車内や鉄道の駅に郵便局を持つものが多かった。



シベリア鉄道郵便



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242線 チタ イルクーツク線

1913年3月9日(イングランド宛)


チタ イルクーツク線は、バイカル湖南岸を通る難所であるため、鉄道建設は遅れた。
シベリア鉄道は、1899年には、バイカル湖南岸を残して、チタ延びていた。さらに、1903年には、中国東北部を通って、ウラジオストックまで開通した。バイカル湖は夏季は船舶を使用し、冬季は氷上に鉄道を仮敷設していた。この区間が、鉄道で結ばれるのは1915年のことである。



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259線 チタ 満州里線

1917年(日本宛)

マンシューリはロシアと中国の国境の町。

シベリア鉄道は当初、満州里から清国に入り、ハルビン経由でウラジオストックに達していた(東清鉄道)。


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188線 クラスノヤルスク オビ(ノボニコラエフスク)線

1905年6月13日(ギリシャ宛) (この葉書は日露戦争の最中に使われている)

オビ川の越えることは、シベリア鉄道建設の大きな難所であった。1893年、鉄道がオビ川を渡る地点に町が建設された。当時はノボニコラエフスクと呼ばれたが、1925年にノボシビルスクに改名されている。






(参考)シベリア鉄道の線区番号と区間の対応。線区番号が2つあるのは、下りと上り。奇数は下りで、偶数は上り。

線区番号 区間
63,64 Ryazhsk-Samara
123,124 Samara-Chelyabinsk
167,168 Chelyabinsk-Omsk
185,186 Omsk-Novonikolaevsk
187,188 Novonikolaevsk-Krasnoyarsk
197,198 Krasnoyarsk-Irkutsk
241,242 Irkutsk-Tchita
259,260 Tchita-Manchuriya
261,262 Manchuriya-Harbin
263,264 Harbin-Vladivostok
265,266 Harbin-Port Arthur(Kwangchentsi)
153,154 Khabarovsk-Vladivostok



リガ−ペテルブルグ線




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リガ ペテルブルグ線(40)

1913.6.27





駅の郵便局



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Gomel駅 1915.9.12

Petrograd宛





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ワルシャワ駅 1913.3.6

Bern宛




船内郵便



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ウラジオストック−オデッサ汽船

この葉書はウラジオストックで差し出され、寄港地の函館に運ばれたもの。
1919年12月15日差出、1911年1月2日到着



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