バトゥーミ  イギリス占領地


 バトゥーミ(BATUM)は黒海に面したグルジア南西部の良港のある町であり、現在はアジャール自治共和国の首都になっている。油田の町バクーと鉄道がつながっており、石油積み出しのための重要な拠点であった。
 バトゥーミがロシア領になるのは比較的新しく、露土戦争後の 1878 年、ベルリン会議でカルス、アルダガンと共にロシアに併合された時である。19世紀末になると、石油積出港として発展、港湾・石油労働者を中心に労働運動が盛んになる。1902年のバトゥーミ・ストライキは有名。
 1918年3月3日締結された屈辱的なブレスト・リトフスク条約により、ソビエト・ロシアがザカフカスを放棄すると、トルコ軍はバトゥーミに侵攻、4月15日この地を占領する。5 月に独立宣言したメンシェビキ支配下のグルジア共和国は、 6 月にトルコと条約を締結、バトゥーミはトルコ領になってしまう。しかし、1918年10月30日Mudrosで調印された軍事休戦協定により連合軍に支配権が移り、同年12月バトゥーミに到着したイギリス軍は12月25日軍事政権を宣言し、20 年 7 月まで占領した。
 
 1920年7月7日、グルジア共和国に編入される。
 1921年2月ティフリス(現トビリシ)でのソビエト権力樹立後、バトゥーミに逃れたメンシェビキ政権は3月国外に亡命した。ソビエト権力は、進駐したトルコ軍を駆逐し、3月18日バトゥーミにソビエト権力の樹立を宣言し、7月16日グルジア共和国内の自治共和国となった。


 以下の切手は、イギリス占領時代に発行されたものである。



1)1919年4月4日発行


 1919年4月4日 5コペイカ〜5ルーブルの6種の切手が発行された。
 



2)1919年11月10日発行



 印刷の色が変更された。額面も変更になっている。これらの切手は、BRITISH OCCUPATIONの文字が黒で加刷されている。




3)ロシア切手に加刷

  ロシア切手にハンド加刷されたものも存在するがこれらは一般に珍しい。加刷文字にはいくつかのタイプがある。これらの切手には収集家目当ての贋物が多い。ここに掲載している切手も贋物かもしれない。










4)額面変更  1920年6月19日発行

インフレーションの進行に伴い額面と刷色を変更して発行された




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